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感染と発病の違い

結核患者が咳やくしゃみをすることによって結核菌が散乱すれば、
周囲の人に移る可能性があります。
その感染経路は空気感染または飛沫感染なので、
人が多く集まる場所にいれば、結核菌に感染する可能性はかなり高いといえます。

ただし、結核菌に感染したからといって、必ずしも発病するわけではありません。
ここでは感染と発病の違いを知っていただきたいと思います。

感染しても発病しない場合がほとんど

結核患者が、咳やくしゃみにより結核菌を体外に放出することを「排菌」と言います。
咳やくしゃみによって飛散した飛沫 (しぶき) は、
時間が経つと水分が蒸発し、中に含まれていた結核菌が空気中を浮遊します。
これを他の人が吸い込むことで、「感染」したことになります。

このように聞くと、とても人混みの中には恐くて入れないように思えるかもしれません。
結核はかつて不治の病と呼ばれ、多くの死者を出した病気ですから、
それが空気によって簡単に感染するとなれば、それも無理もないでしょう。

しかし、体内に結核菌が入ったとしても、
たいていは免疫の力によって押さえ込まれるため、発病することはありません。
このように、体内に結核菌があるけれども、
免疫によって活動できない状態が「感染」です。
感染しただけなら発病せず、周りの人に移すこともありません。

感染しても発病することが少ないことは、他の病気にはあまり見られない特徴です。
インフルエンザなどは、感染した人のほとんどが発病し、
潜伏期間も長くて1ヶ月程度です。
一方、結核は感染しても発病することは稀で、
潜伏期間も早くて3ヶ月はかかると言われています。

発病率はどれくらいか

では、結核菌に感染して、実際に結核を発病するケースはどれくらいあるのか。

一般には 5~10% と言われています。
もちろんこれは感染者全体から見た割合であり、
自分が発病するかどうかは、年齢やその他の健康状態によって変わってきます。

結核を発病しやすいのは、お年寄りをはじめ、過労気味だったり、
病気で体力が落ちていたりして、免疫力が低下している人です。
免疫力が低下している状態では、結核菌を捕獲するマクロファージの働きが衰え、
結核菌が優勢になってしまうからです。

詳しくはどんなときに発病するのかで述べています。

一次結核症と二次結核症

先ほど潜伏期間について述べましたが、
結核菌は感染してから発病するまでに長い期間がかかる病気です。
その期間の長さにより、一次結核症と二次結核症に区別されます。

一次結核症
結核菌に感染してから 3ヶ月~2年の間に発病するケースです。
感染した時点で免疫力の弱い人に多く、
乳幼児や不健康な生活を送っている人などが発病します。
二次結核症
結核菌に感染してから 5 ~ 20年以上経過して発病するケースです。
感染した時点では免疫力が強く、結核菌を抑えることができていても、
加齢や体調の変化によって徐々に免疫力が衰え、
結核菌が優勢になってくると発病します。