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日本における結核

明治~戦後間もない頃の日本では、結核が大流行しており、
「亡国病」と呼ばれ、恐れられていました。
特に第2次世界大戦前後の1940年代には、日本での死因の第1位が結核でした。
その後、特効薬が開発されたことによって、
結核の死亡者数は激減しましたが、決して撲滅されたわけではありません。

日本の結核患者はまだ多い

戦後の高度経済成長や医療技術の進歩などもあって、
現在、日本の寿命は世界第1位となりましたが、
結核に関しては、先進国とは言えない状況にあります。

もちろん、特効薬のストレプトマイシンやリファンピシンの開発によって、
結核が不治の病でなくなったのは、日本においても例外ではありません。
しかし、日本の場合は、結核への十分な対策が持続的に行われなかったため、
現在も先進国の中では、罹患率がワーストレベルの状況にあります

現在の日本では、結核を発症する人は年間約3万人もいて、
2000人以上の人が毎年命を落としています。
そのため、WHO は日本を「中程度の蔓延国」としています。

結核は決して過去の病気ではなく、
今も多くの日本人を苦しめ、命を奪っている病気なのです。

今になって結核が増え始めている

日本では未だに結核患者が多いことを受け、
1999年7月には結核緊急事態宣言も発表されています。
さらに深刻なことには、最近になって結核が再び蔓延し始めているというのです。
そこには現在ならではの原因があると考えられます。

高齢者が発病する

日本の場合は、発展途上国と異なり、発病者の多くが高齢者です。
これは少子高齢化が進んだことも関係しているのでしょう。
戦時中や戦後のまだ結核が蔓延していた頃に感染し、
年を取り免疫力が低下してきた今となって、
いわゆる二次結核症を発病するケースが非常に多いのです。

若い人は結核に対する免疫がない

免疫は、実際に細菌やウイルスの攻撃を受けることによって作られるものです。
予防接種において、あらかじめ毒性を薄めた抗原を接種するのも、
本物の抗原に対する免疫を準備させるためです。

結核菌の場合、高齢者は結核が蔓延していた時代を過ごしてきたため、
すでに何度も結核菌の攻撃を受けているので、
多くの人は免疫が作られているでしょう。
しかし、若い世代は結核菌が身近にないため、感染したこともなく、
結核菌に対する免疫が準備されていません。
そのため、ひとたび結核菌が入ってしまうと、
感染してから短期間で発病する恐れがあります。

また、発病して症状が出た場合も、
それが結核によるものだとは思わない人がほとんどです。
これは、結核がすでに撲滅された病気だと誤解しているからでしょう。
単なる風邪の症状だと思ってしまい、
無自覚に結核菌を空気中に飛散させてしまうのです。

結核が激減したことによって、新たな結核の原因を作ってしまうという、
感染症ならではの皮肉な結果です。

現代の不健康な生活

結核は空気感染するため、通気性の悪い空間は危険と言われています。
最近では、ネットカフェやカラオケボックス、居酒屋、パチンコ店などの施設で、
結核の感染が多いことが指摘されています。
いずれも狭い建物の中にあることが多く、気密性が高いことが特徴です。
また、このような娯楽施設に頻繁に通っている人は、
不健康な生活をしているケースが多いと思われます。
深夜までゲームやネットサーフィンをしていたり、
偏った食生活をしていると、免疫力が低下し、さらに発病しやすくなります。