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DOTS による確実な治療

結核の治療で最も多い失敗は、自己判断で薬を不正使用してしまうことです。
この場合、高い確率で薬剤耐性結核が起こるので問題となります。
患者本人の失敗にとどまらず、周囲の人にも治りにくい結核を蔓延させてしまいます。
そのような非常事態を防ぐために、
結核を正しい方法で確実に治すための対策が施されています。

地道な施策 "DOTS"

結核の間違った治療を避けるために、古くから多くの手段が試されてきましたが、
行き着いた結論はとても地道なものでした。
それは、患者の服薬を医療関係者が目の前で毎回確認するというものです。
これを DOT (Directly Observed Treatment = 直接服薬観察) と言います。

1980年代中頃、結核の治療成績が良くなかった発展途上国に DOT を導入して、
良好な治療成績を残しました。
その後、WHO はこれを受け継ぎ、
痰から結核菌を排除して感染性を持つ患者を見つけるシステムも加えて、
短期化学療法を達成させることを目標にパッケージ化しました。
これが DOTS (追加された S は Short Course の略で短気療法を表す) です。
DOTS はアメリカでも非常に有効な治療法だったので、
発展途上国だけでなく、先進国の結核対策においても重要な位置づけとなりました。

日本におけるDOTS

結核予防法に取り入れられたDOTS

日本では1990年代後半からホームレスを対象とした結核対策で、
DOT が一部の地域で行われました。
その高い効果から全体的に行われる必要があると考えられ、
厚生労働省が2000年に日本版 DOTS を提唱しました。
2004年に結核予防法が改正された際には、法律の中にも取り入れられました。

院内DOTS

日本では「院内DOTS」と言って、入院患者を対象に DOTS が行われています。
入院中は、毎日看護師が目の前で薬の服薬を確認します。
さらに内部では、主治医や担当の看護師、
保健所の医師や保健師などが参加する「DOTSカンファレンス」が開かれます。
ここでは、患者1人1人に対して退院後のサポートをどのように行うかを検討します。

退院後のDOTS

退院後から行われる DOTS を「地域DOTS」と言います。
これには次のような方法があります。

外来DOTS
治療を中断するリスクが高い患者に対して行われる DOTS です。
患者が毎日病院や保健所へ行き、医療従事者の前で薬を服用してもらいます。
訪問DOTS
介護が必要な在宅高齢者などに対して行われる DOTS です。
保健師などが週1~2回自宅を訪問して、服薬の確認や指導を行います。
連絡確認DOTS
月1~2回以上、電話や手紙によって、本人に服薬状況を確認します。